はじめに
子育てエンジニアアドベントカレンダー三日目です。 Qiitaで書こうと思っていたのですが、プログラミングあまり関係無さそうだったのでHatena blogへ。
普段はfreee株式会社でエンジニアとして働いています。 パートナーもIT関係の会社で仕事をしている、小学生、保育園の男の子2人の親です。
エンジニアだからといって特に普通の子育てをしている家庭と大きな違いはないとは思うのですが、 時間の使い方、家電やガジェットの使い方や、普段の生活について書いてみたら これから子どもが生まれる人たちや、すでに子育てをしている人たちの参考になるかもしれません。
子ども達にはコード書けるようになってほしいとは思うので、一緒にプログラミング教室へ行ったり、プログラミング系の知育玩具を与えてみたりはしているのですが、プログラミングに熱中してくれて自走する、というところまでいかずなかなか思うようにはいかないものだな、と感じています。
子どもが生まれると何がどう変わるのか?
実際に子どもを持つようにならないとこの状況は想像できないだろうな、とは思いますが、 端的にいうと自分で使える時間は数年間、0かマイナスになります。
これまで何回か聞かれたことがあるのですが、どういうふうに毎日を過ごしているのかがイメージし辛いと思うし、プライベートの状況を会社で話すこともないので、私が3年前、子どもが2歳、4歳のときにどういう一日を過ごしていたか、そして最近はそれがどういうふうに変化があったかが下記のようなタイムラインです。
保育園のお迎えは1830にパートナーが行ってくれていて、分担は朝の送りは私、お迎えはパートナー、というのが通常で、仕事などがある場合は都度調整しています。パートナーとの調整はハングアウトでしているので、ハングアウトがなくなると困ります。
3年前 1歳、3歳
3年前に書いていたメモより。こういうのを記録しておくのは大切です。すっかり忘れてました。
- 0645 子どもたちが起きる前に起床
- 0700 朝ごはんとミルク作る。前夜タイマー設定したパンが焼きあがる。
- 0720 子どもたち起こす
- 0730 子どもたちオムツ替え&トイレ
- 0730-0800 子どもたちにご飯を食べさせる
- 0800-0830 保育園の準備(着替えさせて、体温を測って、連絡帳を二人分書いて、保育園の着替えとタオルの準備)。 ★ここで体温が37.5℃以上あるとゲームオーバー
- 0830-0835 靴と靴下を履かせて、下の子は抱っこ紐に入れて、上の子は手をつないで保育園へ向かう
- 0845-0900 上の子と下の子をそれぞれの教室で預ける。預ける前におむつをパンツに着替えさせて、着替えを所定の場所に設置して、洗濯物袋を所定の場所に設置したりする必要がある。
をやってから会社へ向かう(平日は毎日)。
帰宅後 保育園お迎えも行くとき(月に数回)
- 1830 保育園へダッシュ!≡≡≡ヘ(*--)ノ で向かう
- 1845 洗い物、荷物、連絡帳、先生に一日の様子を聞いてから保育園を出る
- 1855 帰宅。子ども小は腹が減ってギャン泣きしている。子ども大もお腹すいたと泣く
- 1900-1915 週末に作っておいた夕飯をチンしたりして夕飯作る
- 1915-2000 子ども小、子ども大にご飯を食べさせる。自分の食事はする余裕が無いので後回し
- 2000-2020 自分のごはんたべる
- 2030-2100 子どもたちと遊ぶ (早く寝かせたいので無いことも多い)
- 2105-2125 子ども大を風呂に入れる
- 2125-2145 子ども小を風呂に入れる
- 2145-2150 子ども大を歯磨き(大暴れ)
- 2150-2200 子ども小を歯磨き
- 2200-2215 絵本を読む
- 2215- 寝かしつけ。なかなか寝ない。寝かしつけたら仕事しよう・・・と思っていると自分もネオチしてしまう。
- 子どもたちが寝たら気力を振り絞って台所の洗い物と、洗濯をする
帰宅後 子どもたちがすでに寝ている場合
※ 帰宅後の流れは25時に帰っても同じ。
- 2300 帰宅。お風呂を入れる
- 2300-2315 お風呂を入れている間に、保育園の洗濯物を洗濯機へ。子どもたちが食べた夕飯の食器を洗う。2日に1回ぐらいは翌朝の朝食のためのパンをホームベーカリーで焼く(タイマー設定)
- 2315-2345 風呂に入りながらご飯(果物が多い)を食べながらオーディオブックを聞きながらKindleで本を読む
- 2400 寝る
最近 5歳、7歳
- 0700-0730 起床、朝ごはんを作る
- 0730-0830 朝ごはんを食べさせ、着替えさせたり登園準備、長男はAlexaに促されて学校に行く
- 0830-0900 保育園へ自転車で送る
- 0900-0930 通勤
- 0930-2000 仕事
- 2000-2100 退勤、翌朝のご飯など買い物して帰る
- 2100-2130 夕飯、翌日のご飯がなかったら準備
- 2130-2230 お風呂に入れて、歯磨き、寝かしつけ(早く寝てほしい
- 2230-2300 家事
- 2300-0700 睡眠
上の子が小学生になって変わったのは、ほぼ自分で準備をして、学校へ朝は時間になれば(Alexaに促されつつ)行くし、 帰りも自分でバスに乗って学童クラブまで移動するようになってきて、だいぶ自立してきたな、という感じがします。
自分の時間はむしろマイナス
まだ子どもがいないけど予定がある人に聞かれたときに一言で伝えているのは、「もう一つ大きな責任を持ったフルタイム365日の仕事が増えると想定しておけばいいと思います」、というふうに伝えています。
平日のタイムラインは上述のような感じですが、休日もほぼ自分の時間は取れません。 散歩、外出、遊ぶ、といったように子どもが小さければ小さいで自由な時間はないですし、小学生になるくらいまで自分だけでは危なくて外に出せないので一緒に出かける必要があります。
子供が生まれる前は、土日で勉強をしてだいぶ仕事へいい影響があったのだな、と子どもが生まれてから気が付きました。 土日でインプットができなくなることでエンジニアとして学びを続けることの困難を感じる数年間でした。 上の子が小学生になって、下の子を連れて土日も公園へ遊びに行ったりすることが増えてきて、徐々に土日に自分の時間を確保できるようになってきたな、と7年以上を経て感じています。
子どもが生まれると自分の時間がなくなる、のではなくて、勉強時間を確保しようとすると睡眠や風呂や食事などの 生活に必要な時間を削らざるを得ず、むしろ自分の時間はマイナスになる、という感覚があります。
勉強する時間を捻出するためにやっていること
子どもがいるからといって勉強しないわけにもいかないし、勉強したい、学びたい、という欲求が満たされないのは非常に強いストレスなので、なんとかしてインプットの時間を確保する必要があります。
インプットが必要なときは金曜の夜中にまとめて睡眠時間を削って勉強をする時間を確保したり、有給を使って勉強するというやり方をしています。それ以外にまとまった時間を平日に取るのは困難なので、スキマ時間をいかにしてインプット時間として使うか、というのも苦心しています。
オーディオブック
日本語だと以下のサービスがありますが、audiobook.jpのほうを聞くことが多いです。 - audible - audiobook.jp
日本語の本だと3倍速で聞いてもわかるので、むしろ自分で本を読むよりも早いのと、疲れていても強制的に耳からプッシュ式に突っ込めるので便利です。 スキマ時間に何回も繰り返し聞けるので、フィードバック入門は10回以上暗記するぐらい聞きました。
オーディオブックは日本だとあまりメジャーではないのと、そもそも翻訳されない洋書もあるのでaudible.comの方もよく聞いています。英語だと等倍で、しかも3回聞かないと理解できている気がしないので通勤の時間を使って1ヶ月に2冊聞けるかどうか、という感じです。
audiobook.jpだとほとんど技術系の本はありませんが、audible.comだと技術系の書籍もあるし、未翻訳の名著があったりと、だいぶコンテンツの充実度に差があるのでおすすめです。
最近だと
なんかを聞いていました。
Kindle
エレベータの待ち時間の数十秒や、信号待ちの数十秒、ランチタイムは一人でご飯を食べつつオーディオブックを聞きながら電子書籍を読む、といった使い方をしています。
Udemy/Courseraなどオンラインコース
帰宅して疲れ果てて読書みたいな能動型のインプットをするMPが残っていないことも多いので、そういうときにはプッシュ型のUdemyの講座で強制的にインプットするようにしています。 Udemyは日本語だと初級レベルのコンテンツが多いので、主に英語で評価の高いコンテンツをセール時に買って見ています。
Courseraの機械学習のコースは宿題が辛くて泣きそうでした。
活用してるガジェット類
プログラミング系、知育玩具系
- SONY MESH
シンプルで、アプリもよくあるScracth的なものなのですぐに子どもは遊べるようになりました。 が、センサーの種類が少ないのと、モーター的な動作はやりづらいので箱を開けたら音がなるだけ、といった1ステップの挙動までしかやりませんでした。
アプリから条件に応じてプログラミングして動作させることができる、はずなのですが、スマホアプリでラジコン的な遊び方ができてしまうのでラジコン的な使い方ばかりしていてプログラミングに向かわせることができませんでした。
- Make Block codey rocky https://edtechzine.jp/article/detail/1159
スクラッチベースのプログラミングで制御ができる、はずなのですが、動き出して壁に向かって戻ってくる、LEDパネルの表示がちょっと変わる、ぐらいだと面白みにかけるのか、あっという間に放置されてました。
- LEGO WeDo
これは教室に行きました。さすがにLEGOはカリキュラムがしっかりしているので、課題に対してソリューションを自分でブロックを組み立てて、モーターと車輪をつないで制御して、というのが必要なので夢中になってやっていました。
プログラミングの教育は、ただScratchベースでプログラミングできるおもちゃを与えるだけではダメで、どういうプロセスを踏んで伸ばしていくか、というカリキュラムのほうが初期段階だと大切ですね。面白くない、と思ってしまうとプログラミング教室へも行かなくなるので、楽しい、という点を重視した導入が必要なのではないかと思います。
- Scratch
これのためにWindows tablet PCを購入。NHKのWhy programmingをよく見ていたので、同じプログラムが動かせる、というので興味を持ってくれてました。が、Why programmingのScratchのコードは結構難解で、開いてみたけど理解できない、みたいなパタンが多くて意外でした。Scratchであそこまで書けるようになるには相当やらないとできるようにならなそうです。
Google Home, Alexa
スマートスピーカーは自然増殖するのか、家の中に10台ぐらいいます。 各部屋に一台、キッチンや洗面所にもいます。
子どもたちに毎日定時に声掛けが必要なことは、スマートスピーカーに喋らせています。 朝はご飯を食べろとか着替えろとか家を出ろとか、夜は風呂入れとか寝ろとかAlexaが叫びまくっています。 毎日同じことを何回も言うのに疲れたのでAlexaが言ってくれて楽なのですが、親が言ってもAlexaが言っても聞かないものは聞かないので、同じです。
Withings Thermo
体温計です。 日本で発売されるのが待ちきれずにAmazon.comから個人輸入したのですが、 その後何年も経つのに発売されないですね。
体温測定が2秒でできて、記録も個人別にできるので病気になったときや、朝の忙しいときに20秒も子供じっとしていないので、保育園登園時の体温測定に重宝しました。
記録ができているのは、発熱時に病院に連れて行ったときの症状説明のときにも便利です。 ただ、イマイチ精度は悪くて、高熱かどうかはわかるけど37.3℃ぐらいの微妙な温度のときの信頼性は落ちる印象があります。
Arlo
随分前のTEDで、子供が生まれてから言語を獲得するまでの過程を記録して分析する、というようなものを見たことがあってやってみたかったのですが、最近になってようやく無限に記録ができる室内カメラサービスが出てきたので子供が遊ぶところにカメラを設置しています。
他の24/365記録系のサービスよりもカメラもサブスクリプションも安いです。
たまに親が見ていないところで兄弟喧嘩していて、どちらの主張もかみあわない、というときに決定的瞬間が記録されていたりします。
家事での工夫
炊事
子供が小さい頃は離乳食も作っていました。
15年ほど炊飯器ではなく鍋でご飯を炊く生活をしてきたのですが、いつの間にか炊飯器の性能が上がっていて、炊飯器で炊いても満足の行く味のご飯が食べられることに気がついたので昨年炊飯器を導入しました。
炊飯器として使うよりも、電気圧力鍋として使うことが多いので、今年もう一台炊飯器を追加して、ご飯を炊きつつおかずも炊飯器で調理できるようにして時短かつ手放しできるようにしています。同じ機種2台なのはパーツに互換性があるので運用が楽なので。 料理系の道具は他にもいろいろ試行錯誤しているのですが、マニアックすぎるので割愛。
食洗機は、家族四人分だと通常のタイプだと容量が足りないので、ディープタイプでフルオープンのタイプを使っています。
掃除
ルンバ+ブラーバを使っています。 ルンバは毎朝7時に動き出して、目覚ましを兼ねています。 毎日掃除させているもののルンバには天敵が多くて、無事に掃除を完遂できる確率は半分ぐらいのような気がします。子供の靴下とかレゴの部品とかによく引っかかっています。
ルンバは何かに引っかかるとスマホにプッシュ通知が来るのですが、何に引っかかったかはわからないし、その場でなにかできるわけではないのであまり意味がないですね。
洗濯
ドラム式で、洗濯物を干す作業はしなくても良いような服を買うようにしています。
おわりに
子育てをすると仕事のパフォーマンスが上がる、という研究結果もあるように、パフォーマンスがあがっているかはわかりませんが仕事への影響は少なからずあると感じています。
ボロボロになりながら毎日を過ごしていますが、振り返ってみて子育てから得られるもの、学ぶものは想像を遥かに超える経験だったと感じています。 苦労はありますが、幸せ、という感情を与えてくれるのもまた子どもたちなので、家族を大切にしつつエンジニアとしてやっていきたいなと考えています。
自分が苦労したのもあり、同僚に子供が生まれて人手が欲しいときにはいつでも言ってね駆けつけるよ!と毎回声をかけていますが。今まで駆けつけたことはありません。
一度子育てをすると不可逆な変化が脳に起きるようで、赤ちゃんを見ると菩薩のような気持ちになります。子育てをして、こういう思いを持ってる人は多いと思いますが、電車の中で赤ちゃんが泣いても全然OKかわいいし、大戸屋で赤ちゃんをあやしながらご飯を食べてる人を見たらちょっと赤ちゃん見てましょうか、という気持ちだし、大変だったらなんでも言ってねできることはするから!という気持ちです。
明日は論理でも物理でもものすごく頼りになる同僚のawa2です!
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